今回は、「AD/HD・LD]の障がいの理解の「LD」について説明します。
AD/HDは、知的障害は無いけれど、脳の細胞レベルや伝達機能に違いがある事で脳の中で瞬時に行われるはずの抑制や統合に問題がある事が分かりました。
また、多動だけでなく衝動性や不注意の3つの主症状があり、それぞれの主症状の出方の違いから、10人10色の違いがあることが分かりました。
AD/HDとLDの共通点や違いについて正しく学びましょう。
LDの理解
(1)LDの定義
「LD」とは知力に比較して、ある種類の学力が他の学力に比べて著しく劣っている状態をいいます。
「読む・書く・話す・計算する・推論する」など、学習に関連する領域の一つ、あるいは複数に習得と使用に著しい困難さ(障がい)がある状態をいいます。
障がいの重症度として、軽度・中度・重症度と3段階評価をされています。但し、適切な支援が行われれば、大学進学や卒業も可能とあり知的能力に問題があるのではない。
また、「LD」は協調性運動障害「DCD」との併発も多い。日本では、1999年に旧文部省が学習障害「LD」と定義している。
(2)LDとAD/HDの類似点と相違点
「LD」と「AD/HD」は、脳の非常に限られた部分の機能の低下や発達の遅れが見られる点が共通しています。それに対して知的障害や自閉症などでは、脳のより広範囲な部位に障害が起こっているといえます。(器質的な連絡の障がい)
また、「AD/HD」では、脳の個別の機能自体には問題は無いのに、抑制機能や統合機能が
うまく働かず問題行動につながってしまう事が多くなります。
そういった点で「LD」は、他者への問題となる行動は起こさない代わりに周りの人に、本人の困難さが気づかれにくく、ふざけている・怠けていると思われがちとなり適切な支援が受けられなくなる問題があります。
(3)併発する障がい
「AD/HD」には、「LD」が併発している事が多く、全体の30%以上(軽度を含めると90%以上)の人が併せ持っていると思われます。
そのため「AD/HD」と「LD」が混同して用いられた(診断)時期には、本来の「AD/HD」の状態に気付かれることなくして「LD」という誤った診断を受けていた歴史があります。
また、「LD」は、協調運動障害「DCD」との併発が多いとされています。