私たちは、障がい者支援を行ってきた中で、気づいたことがあります。それは、「単体の障がいを持たれた方が少ないこと」です。
例えば、私たちの日常の訓練の中で、ご本人さまを詳しく観察しておりますと、ADHD(注意欠陥・多動性障害)と診断された方でも、ADHD(注意欠陥・多動性障害)の特性だけではなく、アスペルガー障害の特性も併せ持たれているケースが多くあります(この他にも、自閉症、LD・学習障害、知的障害など)。
ご家族さまが「正しい知識」を身につけることが最初の一歩です
今まで、ADHD(注意欠陥・多動性障害)のための支援を受けて学童期を過ごしてきたものの、ご本人さまの困った現状は改善されない。そればかりか、その最初の診断によってADHD(注意欠陥・多動性障害)だけが注目されすぎて、ご本人さま「固有の特性」についてしっかり目を向けられず、一番身近なご家族さまであっても気づけないことがあるためです。
障害は病気ではございませんので、一括りに「これ」と断定できるようなものではなく、むしろ「固有の特性=個性」として、一人ひとり違う個性に寄り添い正しく見つめることが大切です。できること、できないことをきちんと「評価」しながら、社会生活の上で必要とされる能力を育成していくのがワークスタイルこすも独自のやり方です。
前述の例でお話をしますと、ADHD(注意欠陥・多動性障害)とアスペルガー障害の両面の特性をお持ちで、学童期にADHD(注意欠陥・多動性障害)のための支援しか受けられていない場合、アスペルガー障害の特性である部分の支援を同時に行うことで今までにできなかったことが、できるようになります。むしろ、診断名に目を奪われることで、ご本人さまが本来もたれている能力が発揮できずに、過小評価されている場合もあり、もともと十分にできることもあります。
発達障害は「一人ひとり違う個性」に寄り添うことが生命線です
一番身近なご家族に、診断名以外のご本人さま「固有の特性」について理解されず「怠けている」「言うことを聞かない」と思い込みや誤解をされることほど、残念なことはありません。これはご家族さまだけの問題ではなく、福祉の側の情報発信や、国の環境整備のあり方にも課題が残されている現状なのだと思います。だからこそ、ご家族さま、私ども、社会、一体となってつくる新しい未来を切り開いて参ります。
ワークスタイルこすもでは、診断名に左右されることなく、ご本人さま固有の特性に寄り添い見つめ、「できないこと(困り感)」を見つけ出し、ご本人さまの特性を活かせる無理のないアプローチをします。そうすることで、ご本人さまが持っている「できること(本来の能力)」をフルに発揮できる支援・指導を行なっております。
また、「障害特性に起因する苦手なこと」をご家族さまに正しくお伝えし、ご本人さまに対する理解を深めていただくことで、「怠けている」「言うことを聞かない」と、誤解によってギクシャクしていた親子関係の改善にもつながります。
逆に、日常生活の様々な場面で怒られ続けること、注意され続けることで、ご本人さま自身の「自己肯定感」は失われていきます。やがて、「やる気」や「気力」が衰えてしまい、ご本人さま本来の心のあり方とは違った「困った行動」「出来ない行動」が増えてしまいます。
「できること」が増えることで、ご本人さまの「自己肯定感」や「自信」を回復し、明るくイキイキとした表情へ変化します。自信を保つことで、積極的に生活することができるようになります。
私ども「ワークスタイルこすも」では、診断名だけの支援ではなく、ご本人さまに寄り添い見つめながら個性を尊重し、「できること」を増やす取り組みを行っています。